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「………俺な?5歳の時に親から捨てられたんだ………母さんと父さんは毎日喧嘩してて………ある日…父さんはでてった……」
榊原はなにも言わずただ聞いてくれている…
「それから、俺は母さんから暴力を振るわれた…あんたなんか産まなきゃよかった…って毎日言われ続けてよ……でも、俺にとってはそんな奴でも母さんで…いつか、優しくしてくれるんじゃねぇかって思ってたんだ………」
「でも、そんな母さんもそのうち他に男作っていなくなっちまった………………それから、周りからは親から捨てられた奴って目で見られて、今まで仲良かった友達もどんどん減っていった……はは……笑えるだろ?こんな話……」
すると俺はまた抱き締められた……
「……今まで辛かったんだね…グスッ…」
……こいつ…震えてやがる……
「…ふっ……なんでてめぇが泣いてんだよ…」
俺のために泣いてくれた奴なんて初めてだ……
こいつが今ものすごく愛おしい……
「なぁ……翠って呼んでいいか?」
するとこいつは、泣きながら頷いた…
「…翠……俺のことは誠也でいい……話聞いてくれてサンキューな?」
「……ん…」
翠は泣きながら微笑んだ…
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