学院への入学

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「ま、魔帝だとっ!?貴様があのユーリ・レイランドだと言うのか!?」 「そうだ。今は諸事情でユーリ・フィランドって名乗ってっけど」 「あの高名な方が学園に通っているはず……」 「彼女の言う通りですよ。良いから下がりなさい」 「わ、わかりました」 やれやれ、ようやく黙ったか。考えの堅い奴は面倒ったらない。 「さて、今日はわざわざのご足労いただきありがとうございます。魔帝よ」 「そう思うなら早く用件を済ましてくれ」 「そうですね。では、ここに手をだしてください」 理事長が指を指したのはテーブルの上に置かれた一枚の紙。 魔力は感じないしただの紙にしか見えないが……何しろ相手は六賢者の一人、しかも国王が厄介としてる曲者のヴァン。 現に何を考えてるか読もうとしても胡散臭い笑顔を浮かべており全く分からない。 恐る恐る紙の上に右手を置くと、手の甲に魔法陣が浮かび上がる。 「ちっ、やっぱり仕掛けが……!」 咄嗟に魔法陣を展開し解除をしようとして俺は気付いた。体内の魔力の大半が無くなってる、いや使えなくなっているのに。
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