二度目の学生生活

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「って事は今のユーリってばちょっと強い学生って事?護衛の意味あんの?」 今最も言われたくない一言を的確に言われ泣きそうになるのをコーヒーの苦さで誤魔化して何とかこらえる。 今朝早く、俺は自分の戦闘力が如何程なのか測るべくアイシュと模擬戦闘を行った。結果は魔術のみならば中の上、魔法と組み合わせても上の下という護衛としては情けない実力だった。 おまけに超手加減されたにもかかわらず全身痣だらけで自分で回復魔術を掛ける魔力すらなくアイシュに治してもらわなければならないくらいに疲労していた。 普通の生徒が相手なら十分だがお姫様を狙う暗殺者や襲撃者相手ならば通用しない。先ほどの上の下や中の上などという話は学生基準の話でありギルドや騎士団基準ならば下の中程度の実力、雑兵一人倒すのも一苦労だと護衛とは到底呼べるものではない。 なので事実は事実なのだが……護衛する人に「護衛する意味あるの?」と言われるといくら俺でもグサッと来ますよ。
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