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幸人も含め、五人で下校を開始した俺達は途中の分かれ道で二つに分かれた
俺は安住と同じ道だった
「さて、二人っきりになれたし聞いてもいいかしら?」
「・・・なんだ?」
「葵を始めて見た時、あなたの顔色はひどく悪くなったわ。誰でもわかるくらいに。」
「別に神寺を見たからってわけじゃないさ。」
「それは、うそね。」
「なぜわかる?」
「あら、本当にうそだったんだ。」
こいつ、かまかけやがった
なかなか抜け目ないやつだな
「はぁ、これでもうそは得意だったんだがな。」
「そうね、確かにあなたほどうそを見抜きづらい人は今までいなかったわね。」
「ったく、亡くなった友人にそっくりだったから少し動揺しただけだ。」
「以外ね、そんなに簡単に話すなんて。うそをつくってことはあまり他人に話したくないものじゃない?」
「ここでうそついたって無駄だろ?それにお前に言ったとしても神寺にお前はこのことを言わないだろ?」
「もちろんよ、葵は親友だもの。でも、あなた案外優しいのね。」
「・・・何のことだ?」
「普通自分の知り合いの亡くなった人とそっくりの人間を見ると近づいたりはしないんじゃない?会う度に悲しくなりそうだもの。」
「友達になったのにいきなり避けだしたらをしたら、神寺は傷つくだろ?あいつは何も悪いことをしていないんだから傷つくのは理不尽だと思わないか?」
「でも、あなたはつらくないのかしら?」
「別に、とうに悲しみは乗り越えたさ。おっと、俺の家はこっちだからじゃあな。」
そういって俺は安住と別れた
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