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「あるわけないじゃん。そんな事して、ランディに会えなくなったらヤダもん」
俺は、できるだけ平静を装う。
悲しんでいる事を悟られないように……自分を隠すように……。
「…………分かった……。じゃあ、俺も行く」
ランディは突然、そう言ってきた。
俺は驚いてランディを振り向く。
ランディが……泣いている?
ランディは立ち尽くして、荷物を持って泣いていた。
「俺だって、リュカに会えなくなるのは嫌だもん……! それが俺のせいだなんて、もっと嫌だ! いくら頼んだのがリュカとはいえ、手を下したのは俺だし……同罪だろ?」
ランディは涙を溢しながら、それでもはっきりと意思の籠った目で俺を見ていた。
「……もう一生、家族に会えないかもしれないんだよ? それでいいの?」
こんな目をしたランディは、テコでも動かない。だから、一応その確認だけしておく。
「親父には会えないかもしれないけど……お袋には会えるだろうし、いい!」
ランディははっきり、言い切った。
ランディもシェラハさんも悠久の時を生きる事の出来る、不老不死の死神……。
家族より俺なんかを取るなんて……馬鹿なんだから。悪魔の、俺なんかを…………。
「…………馬鹿。勝手にすれば?」
俺はそう言って、裏門を潜る。
後ろからパタパタ走ってくる音がする。
「じゃ、勝手にする」
すぐ隣で、ランディの声が聞こえた。
でも、俺は振り向かなかった。
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