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「……どした? リュカ」
顔をしかめた俺に、ランディが訊いてきた。
「火傷……」
舌が、ピリピリするよぅ……。
「アハハ……。急に飲むからだって。全く……」
ランディはただ、苦笑いしてた。
ミルカが心配そうに「大丈夫……?」って訊いてくるから、俺は頷き返した。
「家出の理由、かぁ……」
ランディはそう呟いて、俺を見る。
俺はこくっと頷く。
「家出じゃなくって……追放されたんだよ。俺は、リュカについて来ただけ」
ランディが言いにくそうに答えると、ミルカが驚いた顔をする。
そこへトントン、とノック音が聞こえる。
「あ……? ちょっと待っててね」
ミルカは少しびっくりしたようにそう言って、玄関へ向かった。
びっくりしてたから、誰か予定を入れてた知り合いじゃないみたい。誰かな?
ミルカは玄関のところで誰かと立ち話をしているらしい。ここからじゃ、会話の内容まではわからない。
すぐに、ミルカは戻ってきた。何故か、俺の弟のホークを連れて。
「リュカ兄、ランディ兄! 良かったぁ、こんなとこにいたんだ~」
「ホークゥ!? え、なんでお前ここにいるの?」
ランディが驚いて訊ねる。
「なんでじゃないよ。どういう事? ランディ兄が人を殺して、それをリュカ兄が頼んだって何? 嘘でしょ!」
「……え、人殺し?」
ホークがビシィっと俺達を指さして、隣で聞いてたミルカがさらに驚いた顔で俺達とホークを見比べる。
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