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「とりあえず、知りたかった事は分かったんだから帰りなよ」
俺がホークをそう促すと、ホークはあっさり「ヤダ」って言った。
「今度の今度は俺、本当に城に帰れないんだよ?」
「分かってる。けど……僕はリュカ兄について行く」
ホークは俺の目を真っ直ぐに見て言う。その目に迷いは、ない。
こうなったホークは岩より頑固な事を、俺は知ってる。
「……勝手にすれば~?」
もうなんにも言うこと聞いてくれないから、俺はむくれてそっぽをむいてそう言ってやった。
「わぁい! リュカ兄、ありがと~!!」
ホークは嬉しそうに笑顔を見せる。
「……私も、一緒に行っていい?」
今まで黙って話を聞いていたミルカが、俺達に訊ねる。
「ミルカまで、来る事ないんだぞ?」
ランディがちょっと驚いたようにミルカを見て言う。
「分かってる。けど、行きたいなって……」
「アセルスさんがいいって言ったらいいよ」
俺はミルカにも許可を出す。
アセルスさんは、ミルカのおばあちゃん。家業である情報屋として世界中を飛び回っている両親の代わりに、16までミルカを育ててきた人。
……あれ?
「ホーク。今いくつだっけ?」
「はい? なんで突然、歳を訊かれてるの? 僕は16。ていうか、忘れないでよ!」
そっかそっか。ミルカと同い年だっけ。
「やっぱり、リュカだね……」
「俺が俺じゃなかったら、俺は誰なの?」
ミルカが何故か納得した感じだったから、言い返してみた。
「そういう意味で言ったんじゃ……。とにかく、酒場でおばあちゃんに訊いてくるね」
ミルカはそう言って、家から酒場に続く通路に向かった。
ちなみに、もうひとつの家業である酒場はこの家の裏にあったりする。
酒場のマスターと情報屋が家業かぁ……。酒場のマスターって、なんか楽しそう。
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