第弐夜

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 それにしても……結局また、みんな巻き込んじゃったな。やっぱり俺って、みんなに不幸を呼ぶ悪魔なのかな……?  ……でも、みんなが勝手についてきたんだから俺のせいじゃないよね? 「リュ~カ。どしたの? そんな淋しそうな顔して」  ランディが突然、ひょこと俺の視界に入ってくる。  それにびっくりした俺が、思わず肩をビクッてさせる。 「……そんな驚かなくてもいいじゃん」  寒がりランディが寒がりながら、ちょっといじけてる。 「ランディ兄~。リュカ兄驚かしちゃダメでしょ~?」  ホークが追い討ちらしきものをかける。予想通り、ランディはますますいじけた。 「えと……ごめんね?」  とりあえず、謝ってみる俺。 「う~……。で、さっきの淋しそうな顔はなんだったの?」  どうやら許してくれたみたいで、さっきの事を訊いてくるランディ。でも、顔がまだちょっといじけてたりするのは内緒。 「ん……。また、みんなを巻き込んじゃったなぁ、て……」 「なぁんだ。いいのいいの。俺達、好きで巻き込まれてんだから」  ランディは向日葵のような笑顔で、俺に笑いかけてくれる。俺はランディの、向日葵のようなこの笑顔が大好き。 「それに僕達が勝手についてきてるんだから、リュカ兄はなんにも気負う必要はないんだよ。ランディ兄に至っては、リュカ兄に助けられたんだし」  ホークもそう言って、笑ってくれる。俺はホークも大好きだから、その笑顔がちょっと嬉しかったりする。 「リュカは優しいから、気にしちゃうんだね……。いいんだよ、そんなこと気にしなくて」  ミルカも笑顔でそう言う。でも、俺、優しくないよ。  それなのにみんな、俺を優しいって言うんだ。なんでだろう……?
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