進むべき道 ~現代にて~

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 次の日、アキバハラ……違った。秋葉原に着いた俺達は、とりあえず色んな店に入ってみた。 「人、多いね~」  リュカがそんな、アホな事を言う。あのな、ここは東京だぜ……。 「東京ってなんであんなに電車多いんだよ。運賃表読めないし」  ここに来たがってた俺達の友達・翼が悪態をつく。そういや去年、翼が暴走族に絡まれてたっけ。 「そこは……まぁ……都心だし……」  俺は適当に、そう返す。翼と俺が仲良くなったのは、あの暴走族の一件以来。 「うわぁぁぁぁん……」  子どもの泣き声が聞こえて、思わずそっちを見る俺達。  そこにはコケたのか、膝を擦りむいた子どもがいた。隣には、その子の兄らしき男の子がいる。兄の方が10歳近く見えるから、2人でお使いの途中かな? 「どうしたの?」  気がつくと、もう既にリュカはその子の所にいた。まぁったく、お人好しだよな……。 「イタイよぉ……」 「コケちゃったんだね。ほら、泣かない泣かない」  リュカは笑顔で、泣いている男の子を撫でてやる。しかし、周りの雑踏を歩く人達は全くそれを気にする気配がない。 「うえぇぇぇぇ!」  まだ4歳くらいの弟君は、やっぱり泣き続ける。あのくらいって、怪我がなくともちょっと転んだだけで泣くんだよなぁ~……。  リュカは困った顔をして、少し考える。  そして「よぉし」と言って大きく息を吸って、右手を胸元に当てて歌を唄い始めた。  その透明感ある美しい歌声に、道行く人達が思わず足を止めて聞き入る。
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