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僕に救う話は喋れない
言葉に詰まった僕を見て
子供が心配している
期待が宿った瞳を一心不乱に向けてくり
僕は話す
お姫様を救えなかった一人の男の子の話
その男の子は最後にこう言う
「笑って嘘はつけるけど泣いて嘘はつけるけど
僕の心は踊らない
君がいないと踊らない」
僕の目からは生暖かい何かが流れていた
蛇口をひねったみたいに
だばだばと
錆び付いてるのか
ヒクヒクと
子供が僕の方にてをかけて笑ってくれた気がした
そこで世界は暗転する
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