第二章

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「それで?どっちに向かえばいいんだ?」 家を出てすぐにニコルが尋ねた すると鈴華が何処からか木の棒を取り出して空中へ放り投げた カラン、カラカラカラ と木の棒は渇いた音を立てて地面に落ちて西を指した 「よし。じゃあ、行こうか。」 そう言って進み出した鈴華の袖をニコルが掴んだ 「ちょっと待て。なんだこれは?」 ニコルの質問に不思議そうに首を傾げて鈴華が答えた 「知らない?どっちに行ったらいいかわからないときはこうやって木の棒を-」 「そうじゃない。目的地は何処なんだ?」 「こっち。」 棒が倒れた方向を指差し自信満々に答える鈴華に苛立ちを隠せないニコルはため息をついた
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