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「なんだこの扉。見るからに隠し扉って感じだよな」
「行ってみるか」
「この先に、藤原が居るかもしれないからな。よし、行こう」
ベレッタを握る手に力が入る。巨大な気配をこの先に感じる。それでも三人は、先に進む。亡くしたはずの友がこの先に居るはずなのだ。
「下水道か…。いい気はしないな」
「化け物に襲われるよりましだろ」
高崎が先頭を進んでいく。扉が前方に見えてきたが、その手前に何か浮いている。
「なんだよあれ…」
「化け物の死体か何かか?」
慎重に浮いている物体に近づく三人は、それが死体であることを確認した。グロテスクな風貌の化け物だ。化け物がここで死んでいるということは、この先に藤原が居る可能性が高い。
「よし、行くぞ!」
鉄製の扉を開ける。白で統一された通路が視界に飛び込む。テレビなどで見る研究所というのがこんな感じだ。
「研究所ってやつか?」
「多分、な」
「エンブレムのロゴが入ってる」
「ってことは、エンブレムの地下研究所ってことだな。にしても、なんでこんな場所に」
三人は一番近くにあった扉を開けてみた。中には所狭しと並んだロッカーと、血の付いた警備員の服があった。
「穏やかじゃないな。ここからは気をつけて進まないとな」
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