第三章・死闘

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「エレベーターしかないな。階段が見当たらない」 「とにかく行くしかない。とりあえず一階一階順番に行くぞ」 三人はエレベーターに乗り込んだ。そして、B3と書かれたボタンを押す。 扉が閉まり、数秒で扉が開いた。三人は目を疑った。目の前に、病院の研究室で見たような水槽が大量に並んでいるのだ。 いちいち数えていられないが、百近くはあるだろう。その中には当然、何らかの生物が入っている。 「ここはとんでもない場所だな。エンブレムが管理してるってことは、この騒ぎの元凶もそうなんじゃないか?」 「勇人、多分そうだ。エンブレム…狂ってる」 「あそこから隣の部屋に行けそうだ。行こう」 三人は生物たちが目覚めないように静かに通り過ぎ、隣の部屋へ入った。 「ここは…あの生物たちを管理してる部屋って感じだな。コンピューターが何台もある」 「B.O.W.鎮圧用ガスなんていうのもあるみたいだ」 「B.O.W.ってなんだ?」 「生物兵器みたいなやつだろ」 「さすが宗平、頭いいな。じゃあ、奴らが動き出したらこのガスを放出すればいいんだな」 「多分な。けど、俺たち人間にも何かしらの作用はあるだろうから、一か八かだな」 「このフロアはもういいだろう。次に行こう」 三人は来たとき同様、静かにエレベーターまで歩いていき、下の階に移動した。
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