第三章・死闘

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その頃、藤原と浅井は研究所の地下五階に居た。89式を構え、長い通路を進んでいく。この通路はT字になっているようで、突き当たりで左右に分かれている。 「OK、俺が右に行く」 「じゃあ俺は左で」 藤原が左、浅井が右のルートを選び、お互いの無事を祈って別れた。 -7/25 21:45- 藤原side 左ルート 「しかし、こんな研究所があるなんてな。俺の国は壊滅状態だってのに。あのウイルスを悪用なんてさせてたまるか」 通路の突き当たりにあった扉を、慎重に開ける。仮眠室か休憩室なのだろうか、ベッドやソファー、自販機に流し台、ロッカーが完備されている。 「休憩室、って感じだな。ここなら仮眠もできるか。しないけどな」 室内に何か使える物がないか物色する。特に何も見つからず、ロッカーに手を伸ばす。すると、中にデザートイーグルが置かれていた。そして、ガンベルトまで入っている。 「すげえな。本物か?」 デザートイーグルのマガジンを取り出してみる。確かに実弾が入っており、重さもあるため、本物だ。藤原はガンベルトを装着し、マグナムを納めた。 「あとは何もないか。よし、次に行くか」 休憩室には、今入ってきた扉以外に三つ、扉があった。近くにある扉を開けてみる。 「おっと…失敬」 そこは女子トイレだった。思わず扉を閉め、一呼吸置いて隣の扉を開ける。やはり男子トイレだった。使える物も何もなく、すぐにトイレを出る。
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