第三章・死闘

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フェニックスのカプセルにばかり気を取られていたが、よく見ると、奥にも三つほどカプセルが置かれていた。 「なんだよあれ…。冗談じゃないぞ…」 No.00229 マガツチと書かれたカプセルには茶褐色の体色をした獣のような生物が入っている。そしてその隣にあるネームプレートにはNo.00408 クイーンジャイドと書かれたカプセルがある。中の生物は、青色の体色に大きな爪とギザギサの歯が印象に残る姿をしている。下水道で対峙した生物は、これによく似ていたが、まだ人間並みの大きさをしていた。この中にいるものは、3メートルはある。 「こいつは…」 さらにその隣にあるカプセル。そこには、人間の女性が入っていた。その女性には見覚えがあった。そう、自分の愛した女性の友人だ。ネームプレートには、コードナンバーが記されておらず、ネームプレートにも名前はなかった。ただ、そこに入れられているだけの存在だった。助け出してやりたい。しかし、ここからでは操作できない。 「ちくしょう!」 その時だった。背後から声が掛かった。振り返ると、そこには三人の青年が居た。そう、藤原や自分と同い年くらいの男だ。 「なんだお前たちは?」 「そういうあんたは?」 「俺は浅井祐樹ってんだ。今仲間とこの施設を調べてる」 「そうか。もしかして、その仲間って藤原基幸って名前じゃないか?」
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