第三章・死闘

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休憩室を出ようと、五人が動き出したその時、スピーカーから声が出る。 『日本の若者たち。ここから無事に出ることは叶わない。既に地上への通路は塞いである』 「なんだ?誰だ!」 『私はこの研究所の所長、ジョージ・パットンだ。所長室まで来てもらおうか』 それを最後に、スピーカーの声は途絶え、研究所内部に警報音が鳴り響く。 それと同時に、研究所全体にアナウンスが流れる。 『当研究所は、非常事態発生のため、あと十分で爆破します。職員は速やかに脱出してください。繰り返します。当研究所は…』 「おいまずいぞ!早く脱出しなきゃ全員死んじまう!」 「とりあえず所長室に行こう。急ぐぞ」 浅井を先頭に、所長室へ向かう五人。所長室に行くためには、B.O.W.が入った水槽のある部屋を通らなければならない。 「もし水槽が開いてたら、その時はどうする!?」 「その時はその時さ!」 全員全速力で通路を走り抜け、B.O.W.保管室に入る。水槽は、無事だった。入っているB.O.W.も覚醒する様子はなく、一行はそのまま走り抜けた。 所長室の前に到着した時、アナウンスは爆破までの時間を八分と言っていた。もう時間がないのだ。
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