第三章・死闘

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「よく来た。入りたまえ」 所長室の扉が開き、一行は警戒しながら中に入った。中には水槽が二つあり、ちょうど真ん中に机と椅子があり、そこに所長、ジョージ・パットンの姿があった。 「さぁ、せっかく来てくれたのだ。私の最高傑作と遊んでやってくれないか?」 「ふざけるな!もうすぐ爆破するんだ!化け物の相手なんかしてられるか!」 浅井が怒声をあげる。が、ジョージは気にする素振りもなく、続けた。 「まだ私の最高傑作を紹介していなかったね。これがさっき君たちも見たガルバトス。そしてもう一体、こっちがガルガントだ」 「話が通じねえ。やるしかないか…」 「まあ待て。時間はまだ七分もある。相手をしてくれるなら、脱出ルートを教えなくもない。さあ、どうする?」 五人にとってはかなり危険な、だが選ばざるを得ない選択だった。断ったところで、脱出ルートがすぐに見つかるわけではないだろうし、闘うにしてもかなり強そうな化け物だ。下手をすれば全員、研究所の爆破までに死ぬ可能性が高い。 「いいだろう。相手をしてやってもいい。だが約束しろ!必ず脱出ルートを教えると」 「いいだろう。だが勝てるかな?私の最高傑作たちに」 その言葉を言い終えたと同時に、ガルガントが水槽から出てきた。それに合わせ、ガルバトスが浅井に突進する。所長室はなぜか広く、戦闘を想定して設計したのだろう。
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