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何故、こうなったのか。
ただ、何をしているのか見に来ただけのはずなのに俺は周りを変なものを握った人間達に囲まれていた。
「だから敵意はないと言ってる」
もう何度目かの問答をする。
「ここを発見したこと自体が問題なんだと言ってるでしょう!
死にたいんですか?」
推測するにあの手に握ってるものはなかなか強力な武器なのだろう。
それの筒の部分を俺に向けている白衣を着た者達。
“死にたくないなら”という俺には皮肉にしか聞こえないことを何度も聞かれ、答えないでいたら段々と人間が集まって来たのだ。
攻撃するならさっさとしろ、と思うのだが何を考えているのかさっきからこのまま。
こいつらなら責任者の居場所を知っているのか。
そう思って聞いてみても返事はなく、どうしようかと悩んでいる時また新たな人物が現れた。
「ワタシの研究所に何か用かな?死神君」
それは俺にとっては落ち着いた様子以外は囲んでいる奴等と変わらない、普段なら気にもとめない存在。
でも、言葉の内容から察するに一応は高い地位にいるらしい。
「用はある。が、俺は死神などではない」
落胆が表情に出ないよう気をつけながら言うと、そいつは大袈裟に首を傾げた。
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