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「それをする事で何が起こる?」
「知らないよ!興味ないもんね。
返事ないなら強制的に研究するよ。君には興味あるんだけどねぇ……詳しいこと聞こうとすると皆首振るんだもん」
我慢の限界なのか、頬を膨らまし背後から何かを取り出した。
「ってことで強制でご案内~!」
俺の返事を聞く気はないらしく、こちらに先端を向けると霧状の何かを噴射。
背後や周りからは俺を囲んでいた者達の慌てた声と逃げる足音、そして逃げ切ることが出来ずに倒れる鈍い音が響いた。
「あははっ!巻き込んじゃったね。
死神君を捕まえる為に作った専用の麻痺薬だから、死んじゃったかなぁ?」
白く濁った視界の中、楽しげなそいつの声が耳につく。
まるで俺が来るのがわかっていたかのような口調に不快感を覚えた。
「お前、こんなもので俺を拘束出来ると思っているのか?」
既に毒物で死にかけた俺に薬関係は効かないのに。
「……駄目、かぁ。小さい頃から憧れてた死神君にやっと会えたのに」
霧が段々と晴れ、視界は戻ったが責任者とおぼしき人物の顔は何かで覆われていて表情を確認する事は出来ない。
それでも十分に伝わる残念そうな声音は次の瞬間、あの不快な明るい声へと戻った。
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