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俺が理事長室に着いた時、カインは書類に何かを書きこんでいる所だった。 「何やってるんだ?」 「お、セツか。こいつも学校入りたいっていうからよ。 勉強も問題ないようだしな」 俺が言うことでもないが、得体の知らないやつをこんなにポンポンいれていいものなのか? 「カインはいつから学校に来るんだ?」 「ん?いつからでもいいぞ」 「明日から行ってもいい?」 カインは書き途中の書類から顔をあげ、永山を見た。 その目は心なしか輝いているようにみえる。 「おー。じゃ、担任に言っとくわ。 クラスはセツと一緒でいいな?」 「うん」 こいつに尻尾があったらぶんぶん振ってるんじゃないか? そのあまりの喜びように首を傾げながらも俺は手続きが終わるまで部屋の端で待っていた。 「よし、これが制服だ。サイズはあってると思うが、余りに違ったら…………自分でどうにかしろ」 紙袋を手渡し、追い払うように手をひらひらとさせた永山は不意に俺のことを見た。 それはいつものような気だるげなものではなく、刺すような視線。 「……あまり面倒事は持ち込むなよ?」 「俺だって望んでいる訳じゃないさ」 あんなことをわざわざ言うということはカインが翠達の報告にあった奴だとわかってるな。 俺は返事をしつつ背を向けるとそのままカインに続き部屋を出た。
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