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「んなもんサボれよ」
タキオは迷った。
無論、休むと授業に遅れてしまうから、ということではなく、母にバレないかを心配したのだ。
「上手くいけば、バイト料として、一千万円以上の価値があるものを払うぜ」
だがそれを聞いて、迷いは吹っ切れた。
「一千万円!?」
「ああ」
「ほほほ本当に!?」
「本当だ。俺は嘘は言わない」
一千万円あれば、彼女が買える。
ふふふ、と相変わらず意味ありげな笑いを零している涼次には気付かなかった。
「絶対行くから!」
力強く言い、タキオは電話を切った。
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