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朝起きてダイニングに入ると、すでに朝食が並べられていた。
こんがりと焼けたほっけに大根おろし、別のうつわには、水菜とレタスのサラダが盛られている。
「おはよう」
すでに顔を洗い、髪もセットしている。
タキオはダイニングテーブルに腰を下ろした。
その刹那、すでに隣で朝食を食べていた美香が立ち上がった。
まだ食べかけの食器を持って、ひとつ隣の椅子に移動する。
タキオはそんな美香を見たが、美香は目を合わせようともしない。
理由はわかっている。
「父さんは?」
いつもなら、向かいで新聞を広げ、麦茶を啜っている父がいる。
だが今日はその姿がなかった。
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