第一話 父と軍隊

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 「やっばい!きつすぎる」  基地内の外周2周目に入っていた。  「まったくだな」  最初はケツのあたりで走っていたのに、終盤に入ると一気にペースを上げるフロール副隊長だった。  フロール副隊長が笑顔で走り去って行った。  「なんだか気持ち悪い」  ぜぇぜぇ言いながら俺は話した。  一方その頃、最初からトップを走り続ける二人がいた。  「負けてたまるかこのやろー」  「残念だが一位は俺だ」  トチェスとシェムが両者引きをとらず物凄い速さで走っていた。  「喋る暇があったら走りやがれ」  トチェスが汗を大量にかきながら言った。  「負ける訳にはいかない!!」  フロール副隊長が二人を上回る速さで走ってきた。  「やっば」  トチェスが後ろを向いて深刻な顔で言った。  「ありゃ速すぎるね」  フレラ隊長が遠くを見て言った。  ゴール地点でフレラ隊長とポッツ情報係が待っているのだった。  「ゴールが見えたぜ。一位は俺だー!!」  トチェスが最後の力を振り絞った。  「お前なんかに負ける訳ないだろー!!」  シェムも負けじと走った。  「はかっとけよ、タイム」  フレラ隊長がポッツ情報係に言った。  「はい」  「ヌォリゃー!!!!」   ゴールラインを超えた瞬間物凄い風がきた。  「目にゴミが」  フレラ隊長が呟いた。  続けてフロール副隊長がゴールした。  「はぁ、はぁ、はぁ、あいつら速すぎるだろ」  額の汗を拭って言った。  「あいつらまだ走ってるし」  ゴールラインを超えても尚走り続ける二人を見て苦笑いした。  「どこにあんなスタミナあんだよ」  フロール副隊長がのびをして言った。  「やっばいしんどい」  ようやく俺も到着した。  「後はレイカだけだな」  「てめぇさっさと終われよゴールラインは過ぎたぞ!!」  トチェスが死にそうな顔で言った。  「お前こそ終われよ俺は自主練だ!!」  真っ赤な顔でシェムも言った。  「俺も自主練だ邪魔すんじゃねぇお前はあっちで休憩でもしてろ!!」  両者怒鳴りながら並列して走っている。  「何!?」  2周目に突入したレイカが走っていた。  「🌕×△※×▽🌕×!!」  何かを言い合いながらトチェスとシェムが物凄い速さで通り抜けて行った。  「何なのあれ」  走っている途中のレイカもさすがに苦笑いした。
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