0人が本棚に入れています
本棚に追加
19:33――
「今日は特に疲れた」
トチェスが寝転んで言った。
「なまりきった体を一からたたき直してやる」
フレラ隊長が少し笑って言った。
「しっかし、外周3はきついよ」
フロール副隊長は疲れ果てた顔をしている。
疲れのあまり会話がそこでとまった。
全員が寝ころんだり座ったりしている。
「それが普通だ」
俺は聞き覚えのある声を聞いた。
「よっ」
振り向くと父がいた。
「おっ、ランフェルさん」
フレラ隊長が口を開けたまま言った。
「久しぶりだな」
父が笑ってフレラ隊長をみた。
他の皆が誰?という顔をしていた。
「俺の父さん」
父を指してトチェス達に言った。
「まじで!?タイルの親父軍人だったんや!!」
トチェスがかなり驚いて言った。
「階級は俺と一緒で隊長やってる」
フレラ隊長が説明した。
「ただ、人生の先輩として敬語は使ってるけどな」
なっという顔で父をみた。
「みんなタイルの事宜しく頼むな」
フレラ隊長を見て苦笑いしてから言った。
「任せて下さい!しごいてしごいてしごきまくりますよ」
フロール副隊長が殴るポーズを何度もしながら言った。
「なんすかその動き」
皆は笑っていたが、俺は笑いづらかった。
「じゃあな」
父は笑って行った。
「お疲れ様で~す」
「じゃ、解散!」
フレラ隊長が立って言った。
「しゃー!!」
今日は本当に疲れた1日だった。
「フレラ隊長」
俺は伸びをしている隊長に話しかけた。
「どうした?」
「フレラ隊長と父の思い出話して下さいよ」
「思い出話だと?」
少し恥ずかしそうに言った。
「聞きたいっすね」
フロール副隊長も入ってきた。
「じゃ、僕ら先に失礼しま~す」
トチェスとレイカが笑顔で歩いて行った。
「思い出話か~」
フレラ隊長は目を上にして考えている。
「良い思い出ではないが、少し話してやる」
フレラ隊長の目がいきなり真剣になった。
最初のコメントを投稿しよう!