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1971年8月18日―
マグネルト王国軍本部基地
11:04――
「ランフェルさん、大丈夫ですか?」
かつてのフレラ隊長が言った。
「大丈夫だ。最近睡眠不足でな」
この時、ランフェルさんは28歳だ。
階級はランフェルさんが一等兵
俺は二等兵だった。
この時は二人とも同じ部隊に配属されていた。
「朝のニュース見たか?」
同じ部隊の隊員の一人が話しかけてきた。
「今日はニュース見ていないな~」
ランフェルさんは口を尖らして言った。
「今日の朝に、ルサンク駅でテロが起きたらしいんだ」
隊員はかなり興奮しながら言ったので少し聞こえ辛かった。
「テロだと!?」
俺もかなり動揺した。
「ルサンク駅ってたしか地下鉄だったよな」
ランフェルさんが深刻な顔で言った。
「ああ、そのルサンク駅の中で毒ガスがまき散らされたんだ」
隊員は顔が真っ青である。
「じゃあ死傷者もかなり出たんじゃ」
俺も顔が真っ青になるのがわかった。
「それはまだ確認出来ていないんだ」
隊員は下を向いて言った。
「なぜ!?」
俺はもう必死だった。
「駅の中に毒ガスがまかれた後、テロリストが中に立て込んだんだ」
隊員は真っ青な自分の顔をタオルでふいて言った。
「そんじゃ、俺達軍隊が動くかもしんねぇって事だな」
俺は冷静に言った。
「恐らく今頃、上層部が話しているだろな」
ランフェルさんが空を見て言った。
「-連絡、第21~35攻守戦闘歩兵部隊と、第3~8機甲師団は、正門前に集合せよ-」
無線が耳元に流れた。
「噂をすれば、だな」
ランフェルさんは一瞬で目つきが変わった。
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