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時間は放課後。
今、俺は学校の屋上に向かっている。
屋上に着くと、俺より先に先客が居た。
そいつは今にも体制を前に投げ出せば下に落ちてしまうギリギリの位置に立っている。
後ろ姿しか見えないが、首が下を向いている事から、たぶんジーっと下を眺めているのだろう。
女のクセによく脅えもせず堂々とそんな場所に立てるな、と深く感心してしまう俺。
てか、見覚えのある後ろ姿だなと思った。
風になびく、真っ黒で綺麗なロングストレートヘア。
後ろからでも分かるスラっとした体格。
後ろから見ればかなり可愛い女の子だ。
俺が知ってるアイツなら文句なしの美少女。
俺はそんな彼女に声をかけようとした時だった。
なんと彼女は前に身を投げ出し、自ら飛び下りてしまった。
一瞬時が止まった気さえした。
驚きのあまり何も考えられない。
ただ分かる事は女子生徒が自殺したという事。
そう、俺は人が死ぬのを目撃してしまったのだ。
俺は深く息を吐き、彼女が飛び降りた位置から下を見る。
そして飛び降りた女子生徒を見て目を疑った。
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