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悟の言葉に朔夜は突如笑顔になり、何やら鞄をあさり始めた。
しばらくすると彼女は彫刻刀を手に持ち、悟の方に突き出してきた。
何故彫刻刀を持っているかと言うと、今日美化の授業で使ったから。
「会長……流石にそれは危ないからしまいましょう……」
悟が苦笑いしながら一歩二歩と後ろに下がるが、朔夜は一歩二歩と前につまめる。
そして満面の笑みで恐ろしい言葉を言い放つ。
「千登世悟、私の為に死になさい。今なら綺麗に内臓までとりだしてあげるから」
内臓とかグロいな。
てか、生徒会室で血が流れるのは嫌だな。
まあ、基本的に血が流れるのは何処でも嫌だし見たくない。
「ちょっと、会長冗談はその美顔だけにしましょうよ~」
「黙れ。千登世悟、私はマジだ」
「うわ~ん……蛮ちゃん助けて」
悟が俺に助けを求めてきたので、俺は椅子から腰をあげ、頷くと、
「だが断る」
言いながら腰を下ろした。
「ちょっ、酷い! 親友なら助けてよ!」
「あ、笑歌(えみか)ちょっと授業で分からない所あったから教えてくれない?」
俺は悟を無視して目の前に座って居た、同い年にして幼なじみ生徒会書記担当の桜井笑歌(さくらいえみか)に話をふる。
ちなみに、彼女も美少女。
会長より更に可愛いと思う。
綺麗な金髪ロングヘアに、パッチリとした目。
スタイル抜群の体格はもはや神に恵まれた子だと思う程である。
会長の朔夜も性格さえよければ申し分なかったのだが……。
いかんせんアレだからな……。思わず溜め息を吐いてしまいそうだった。
「ちょっ、無視ですか!? てか蛮ちゃんが勉強とか何優等生ぶってんの!?」
「……」
焦りながら言う悟を尚も無視する。
「あ、蛮兄さん何処が分からないの?」
「笑歌ちゃん、相手にしたらダメだー!! 会長を止めて~!!」
尚もジリジリと歩み寄る朔夜に俺と笑歌は目を向けて、同時に溜め息を吐いた。
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