睦月朔夜との休日

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そして時刻は夜の10時。 楽しみな時間がやってきましたよ。 ふっふっふ。きっと今の俺は悪い顔をしているだろう。 何故なら笑歌の入浴の時間。 俺は今人目を盗んで浴室に入ろうとしている。 笑歌が『覗いたら本気で怒るからね!』っと言っていたが、残念ながら俺の変態心は抑えきれなかった。 許せ笑歌。男の楽しみなんだこれは。 さあ、我がエデンにレッツゴー! 意を決して浴室の扉を開けようとした瞬間。 「流石エロ息子。何処にも居ないと思って、まさかとは思ったが……いっぺん死んでみるか?」 嫌な冷や汗が自然と吹き出てきた。 俺は軽く身を震わせながら相手を見る。 「お、お母様じゃないですか……。あはは。ちょっとボケが始まったのかな~? ここはわたくし様の部屋じゃねェでした……」 「はっはっは! 笑わしてくれるじゃあないか我が息子。その歳でボケか? ああ゛ん!?」 「ちょっと母様怖いですよ。妾(わらわ)は洋間で正座して自分の風呂の時間まで待ってます」 「良い志しだな。だが甘いわ。ベランダに吊しの刑だ」 冗談じゃねェよ。下手したら頭から落ちて死ぬだろうが。 親のする事じゃねェぞ。 「分かった! じゃあ、今から笑歌に謝る!」 これにノれば最高のエデンが俺を待っている。 さあ、バカになれ! バカになるんだババア! 「お前には呆れたよ。残念ながら私は『ならその扉を開けて謝りなさい』なんて言わないぞ。残念ながらバカ息子、貴様には死刑が宣告された」
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