53人が本棚に入れています
本棚に追加
「さてと、折原臨也…貴方に聞きたいことがあります。」
「はぁ、はぁ…君、タフだねぇ…俺の情報を知りたいなら3枚はいるよ?」
「生憎、俺は財布を持っていない…だが、その分働こう。」
「俺は身元のわからない人間は雇わないの。だって寝首を掻かれたら困るでしょ…、ん?この俺が身元のわからない人間なんて池袋にいたっけ?」
ふと首を傾げるこの人は
どこか幼さを感じさせる。
そして俺を惹き付けた。
「俺は威紗南 棗。この世界の人間じゃない。俺はこの<漫画の世界>に吸い込まれた<外の人間>だ。」
臨也がまさかという顔をしている
…あぁ、その顔を歪ませたい。
でもその思いも次の瞬間には
消え去っていた。
「アッハッハッハッハッ!!本当!?だとしたらすごいねぇ?俺の愛している人間の中に、<外の人間>という新たなカテゴリーが増えたよ!」
愛している人間…
それは俺と同じ感覚…
あぁ、同種なんだな―…
生まれて初めて安心感を感じた。
「臨也、俺も人間を…いや、人間しか愛していない。俺がわかる情報はお前にやろう?だから俺に住み処を提供してくれないか?」
「うん、いいよ。取り引きしようか。俺の名前は折原臨也…よろしくね、棗。」
最初のコメントを投稿しよう!