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「俺の学校、県No.1の『月華』っていう族の奴らが通ってるから、普通とは言えないし、女子生徒は凜だけなんだよ」
最悪…
女子一人ってところはまだ耐えられる。けど…よりによって不良校かよ…しかも、族の奴らが通ってる…
もう族の世界には関わらないって決めたのに…
「まぁ、そういうことだから。ちなみに今日からだから、急がないと遅刻だぞ。じゃっ」
そう言って部屋を出ようとする蓮兄
…って、今日からぁ!?
「えっ、ちょっとまって!カツラって、ちゃんと傷隠せるやつ?」
あっ、ちなみに傷っていうのは、あたしが『紅き蝶』を抜けるきっかけになった事件のときにつくった傷なんだけど、左目の少し上くらいから頬にかけて、ナイフでザックリ斬られちゃって。
その時の跡なんだけど、眼帯じゃ隠しきれないから、前髪で隠してるんだ。
ただ、斬られちゃってた左目は失明しちゃったし、傷口を縫ったから左目はもう開かないんだ…
…って、今はそんなことより
「どうなの」
「あぁ。ちゃんと傷と赤髪が隠せるやつだから。
それから、学校来たら俺のとこ来いよ~」
バタン
「ハァ…しょうがないか…」
そう言って、あたしは着替えだした
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