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 ゴールデンウィーク明けで、五月病というやつだろうか。いや、違うな。たんに昨日も遅くまで大河の家で勉強を教えていたからだ。眠たくてたまらない。  返ってきた小テストをしばらくぼうっと見つめていると、なんとなく紙飛行機を折りたくなった。  教科書通りに公式の証明をする先生を一目見ると、小テストを折り始める。  その作業に熱中していると、四限目の終わりを告げるチャイムがなった。  何人かの生徒は先生がまだ黒板に数式を書き綴っているにもかかわらず、購買のパンを求めて廊下へ飛び出していく。  人気のパンは飛ぶように売れるので、授業延長の一、二分が命取りとなるのだ。  先生は彼らの背中に一応注意をするが、本当に引き留める気はなく、まったく、という様子でため息をつく。  そして彼らを追いかけたりせずに、きりのいいところまで授業を進め、宿題を言い渡すと教室を出て行った。  ぼくは出来上がった紙飛行機を目の高さにかかげた。  この前テレビで見た『よく飛ぶ紙飛行機の折り方』をうろ覚えながらもなんとか再現できた、と思う。  時間をかけたかいあり、丁寧に折られたそれは、スマートでなかなか満足のいく出来栄えだ。  紙飛行機を机の中にしまい、妹の手作り弁当を机に広げると、大河が前の席にドスンと腰を下ろした。
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