つまりはラスボスな彼女

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(っていうか朝っぱらから人んちの前で サカらないで下さいよ…) 混乱するまま無我夢中で駅まで走ったけれど いつもの様に満員電車に揺られていると だんだん冷静になってきた。 (そういえば外に出たとき課長がなんか叫んでたような…) あの状況で立ち止まって聞き返すなんて とてもじゃないけど出来なくて そのまま無視しちゃったけど。 大体普通の人なら 上司のラブシーンならぬ ボーイズラブシーンを見て 冷静に挨拶できる根性も ましてや小躍りして喜ぶ趣味なんか とてもじゃないけど持ってない。 …若干一名小躍りどころか よさこいしながら阿波おどりして狂喜しそうな奴が浮かんだけど あれは規格外なので除外。 と、そんなことを悶々と考えてるうちに 電車は会社の最寄り駅へ。 「大魔王でもUFO でもなんでもいいから降りてきてくれないかな…」 しかしいくら目を凝らしたところで そこにあるのは見慣れた会社と UFOどころか雲一つない青空。 この底辺な気分を鼻で笑うかのような快晴っぷりに 溜め息をおとしつつ とぼとぼと会社へ向かう彼女でこざいました。
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