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前にある夕陽のせいで、まるで後光がさしているかのようなカノジョのその顔は、逆光もあり少し見づらかったですが、笑っているように見えます。
「私にとっても、ユウタ君は眩しいよ。とっても。」
「だけどさ、それって多分、普通のことなんだと思う。だって、好きってそういうことなんじゃないかな?
好きだから眩しく見えるんだよ。きっと。
ユウタ君にはそれが怖いのかもしれない。もしかして、自分は光ってない、とかって思ってた?
ちがうよ。ユウタ君はいつでも光ってるもん。もう眩しくて目を瞑りたくなっちゃうくらいに、ね。」
そう言って笑うカノジョは、今までで一番綺麗で、輝いていて、それでも僕はカノジョを直視していた。
「別に怖いことなんて無いんだよ。眩しすぎるなんてお互い様。だから私はそんな別れ話に、うん、なんて言ってあげないよ。」
一瞬視界が滲みます。慌てて服の袖で目を擦ると、視界はクリアになります。
きっと目から鱗が落ちたのでしょう。
今度はしっかりカノジョの笑顔が見ることができたのです。あの眩しすぎた笑顔を。今も輝き続けている笑顔を。
うん。ごめん。もう一回やり直して良いかな?
「いいよ。」
じゃあさ。
俺と。
俺とさ、付き合ってくれないかな。
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