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何もかもが美しすぎるのです。僕の目には。
カノジョは光り輝き、そしていくら目を細めても、手を翳しても、自ら光るカノジョを見ることが出来ないのです。
ここに来て何を突然ロマンチストに成ってやがる、とか思うかもしれませんが、しかし、本当にそう見えるのです。ただただぼんやりと宛てもなく生きてきた僕にはカノジョはそう見えるのです。
だからこそ、結論を出すべきだと思うんです。
だから、
なぁ。話したいことがあるんだ。
「なに?」
カノジョは振り向きません。
色々考えてたんだ。未来、まぁつまるところ将来の話とかさ。
それでさ。悩みに悩んだ末に、やっとこさ落ち着いた結論、出せたんだよ。
「そっか。その結論とは何ぞや?私と結婚してくれー、とか、子供は男女2人づつがいー、とかかな?」
カノジョはまだ振り向きません。その声色は笑みを含んでいて、なんだか今の状況には不釣り合いな感もあります。だけど、それでも言わなくてはいけないのです。
お前は俺には眩しすぎるんだよ。だからさ。
俺たち。
別れよう。
ようやくカノジョは振り向きました。
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