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「……その子を元に戻すから、この人達を寄せ付けないでくれるかな」
千里は苦いものを我慢するような顔で周りを見渡した。
ウイの目下にたった途端敵を包囲するようにぐるりと囲んで来たアムカ率いる第8師団。
彼等は千里を警戒しているらしかった。
冷たく痛い視線が突き刺さる。
彼等を振り払い逃げるだなんてしないほうがいいと思った。
そんな事をしたらあっという間に形見は尽きてしまう。
魔力がなくて無視をされていたのに、あったらあったでこんな扱いをうけるだなんて思ってもみなかった。
「ウイ女王陛下、千里ちゃんに出来るかどうかは分かりませんよ」
ヒヅメがやんわりともしもの時を言う。
珍しくウイは殊勝な顔して頷いた。
その視線が千里に向く。
「やって」
「…………」
何か一つ嫌みでもと思ったが、何も言わずにシンシアに向いた。
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