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ミヒャエルを捕らえる事も出来る魔力を持ってるのにどうして。
千里は唇を噛んだ。
一回分がなかった事にされた。
「おい藤枝千里、もう一回やってみろ」
アムカに命令されて千里は首を振った。
「何回やったって同じに決まってる。それにもうこれ以上は嫌」
「なんだど」
アムカの瞳孔が開いた。
喰ってかかろうとアムカが口を開いた時、ウイの髪飾りが澄んだ音を立てた。
はっとして全員が女王へ向く。
ウイは肘掛けに頬杖をついて彼等を見下ろしていた。
「シンシアの件について、これから第2師団に任せようと思うわ。それから千里、あんたも行きなさい」
「………え?」
「あんたもシンシアを元に戻す方法を探すの」
「ちょっと待ってよ」
千里はすっと目を細めた。
さっきから何を言っているんだ。
「私は第2師団の団員じゃないし魔法使いでもない。なんで私があなた達の世界に首を突っ込まなきゃいけないの。私は帰る!」
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