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「そうだね、ウチの子達ももう飽きちゃってるし」
早々にスコップを投げた隆哉は勿論、段々と手が休んできている妹達に苦笑いする。
シンシアは小さく頷いた。
『分かったわ…今日はもう帰りましょ』
土を払い、差し出されたアーツベルトの両手に飛び乗る。
アーツベルトは汚れたシンシアの頬を軽く拭ってやった。
「ランク、明日もきてくださいますか?」
アーツベルトは小さな友人に労いの菓子を渡しているランクに声をかけた。
「ん?おー、いいぜ別に」
「ありがとうございます。と言うわけですからシンシア様、ランクが頑張るそうなので、明日はシンシア様はお屋敷で過ごしましょう」
『えっ…』
戸惑った声に千里は視線を向けた。
アーツベルトは譲るつもりはないらしく、真剣な瞳でシンシアを見つめていた。
「あまりその体に慣れない方がいいでしょうから」
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