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眼が覚めると、私は布団の中で寝ていた…
鷹野「お目覚めですか?」
聞き慣れた声がする。私は事の整理をしようとしたが、頭痛がして何も思い出せない。しかし、私を心配そうにみゆきが見つめる
寝台「鷹野さん。私、何も覚えてません。ただ一つ言えるのは『酒を飲み過ぎた』という事だけです。」
正直、私は酒を飲んでいた事すら、曖昧だった。
鷹野「あの後、急に『本社に戻らなくては!大丈夫、一人で帰れますよ!』と言って2、3歩進んで突然バタッと倒れたので、驚きましたよ。でも無事で良かった…」
と涙を浮かべながら説明するみゆき。
寝台「本当に申し訳ありませんでした。」
と謝る私に
鷹野「いいえ、別に構いませんよ。和幸さんの意外な一面を見る事ができましたから」
寝台「意外な一面?」
鷹野「あの、和幸さんはお酒弱いんですね。」
寝台「え?あ、あれはただの飲み過ぎただけですって。鷹野さんは、強い方なんですか?」
鷹野「腕力ですか?」
寝台「それも気になりますが、お酒の話です。」
鷹野「お酒は人並みに強いですよ。ちなみに、腕力はナイショです☆」
寝台「そうですか…あ!そういえば、広島観光してないな…」
鷹野「なら今日、時間あります?広島の観光名所を案内させて下さい。」
寝台「えっ!?でも、仕事は?」
鷹野「昨日、社長に連絡しましたから、大丈夫です。」
寝台「え?じゃあ…」
鷹野「改めまして、『鷹野みゆき』です。よろしくお願いします!」
予想外の展開だ。
寝台「広島観光終わったら、ここに一回戻ってきて荷物まとめて、広島電鉄社長に言って、それからウチに行こうね。」
鷹野「あ、あと!」
寝台「ん?なんだい?」
鷹野「気軽に『みゆき』と呼んで下さい。」
寝台「突然だねぇ~。わかった、そうするよ。」
鷹野「やった!ありがとうございます。」
私はみゆきに連れられ、観光を楽しんだ。原爆ドーム、平和記念公園、広島城、厳島神社(宮島)…
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