出会い

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「…っ…」 高校2年、4月。 いよいよこの日が来てしまった…。 あたしはごくり、と息を呑んだ。 クラス表を見に、一人で昇降口前へ足を運ぶ。 ドキドキ… お願いです神様!今年も、仲のいい子と一緒でありますように…。 「由衣~っ!ひさしぶり」 「あ、おはよー由衣。髪伸びたぁ?」 人と話すのは苦手だけど、それは最初だけで。 友達が居ない訳でもないあたしは、すれ違った友達に挨拶された。 「…、」 そしてついに、クラス表の前。 知っている人、知らない人など、色々な人が周りに集まっていた。 意を決して自分の名前を探すと…、 「2の……4?」 2年4組。どうやらあたしは2年4組らしい。 いや、そんなことよりも。 あたしは慌ててもう一度クラス表に目を集中させ、知っている人の名前を探す。 「……」 「由衣っ」 なかなか知っている人の名前が書かれていなくて、まだ最後の行まで見ずに諦めかけた時。あたしの名前を呼ぶ声が…。
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