すれ違い

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「~~っ あーもう、そーだよっ!」 やけになったように言い放つ。 …珍しく素直。 なんか自分で聞いたのにくすぐったい。 「……見せつけてくれますなぁー」 「なに言ってんだよ。ちがうって」 「今認めたばっかじゃんか」 「それとこれはとは別だっ」 「…」 また同じような言い合いが始まってしまった…。 あっ、それよりクレープ! 真衣は…と周りを見渡すと、向こうで秋吉に渡しに行っていた。…早い。 渡さないと…、と思いだしてバックの中のタッパを取り出す。 その中には、今日作ったばかりの美味しそうなクレープ。 これを渡したらどんな顔するだろう、とにやけつつ作ったクレープだ。 「あのさ――」 「あーっ!黒田の彼女じゃん!」 …またもや遮られた。 「どれどれ?」 「へぇ…香川っていうんだー」 「ちっちゃいなー」 「黒田、香川さんの前ではどんな感じなのー?」 とゆうかこの状況はやばいんじゃないだろうか。 いつの間にかバスケ部の人に囲まれてしまっている。 「ねぇねぇ」 「なぁなぁ」 繰り返される質問。 黒田の彼女、という存在。人気ものの彼女っていうのは、やっぱり重大だな…。
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