…好き。

11/17
前へ
/271ページ
次へ
キーンコーン… やっと、授業が終わった。やっとだ…。 恥ずかしかった。学校であんなに目立ちたくなかったのに。 全部ぜんぶ、黒田と秋吉のせいだっ! 黒田は、なんだろう。惚れた弱みとでも言うのかな。 …悔しいけど、嫌いになれない…。 けど、秋吉!(とか言う奴!) 許さない…!あんな奴大っきらい。 隣で呑気に寝ている秋吉を睨みながら、私は席を立とうとした。 「なぁ香川ー」 「えっ!?あ!…なに?」 黒田だった。 黒田にいきなり呼びとめられた。 正直、嬉しさを隠せないあたし。 「お前、マジうける!」 「……、…」 は? なに、それ。 もしやそれだけを言うために? 「じゃな~」 本当にそれだけだった様子だ。 黒田はあたしにイラつく言葉だけを言い残し、友達のところへ行ってしまった。 でも、いらつく反面、なぜか嬉しい……と感じたあたしは、本当の本当に馬鹿だと思った。 もしかすると、あたしは黒田よりも馬鹿なのかもしれない。
/271ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加