…好き。

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「なー香川」 「うん?って、秋吉?」 それは、お昼休みであり、お弁当の時間だった。 あたしも、美夏と真衣と一緒にお弁当を食べていた。 その時秋吉から、あたしに話し掛けてきたのだ。 秋吉は一応人気ものだから色んな人と話しているみたいだった。 そのノリでだろう。たぶん。 「何ー?」 男子とあまり話さないあたしは内心どきどきだった。 だからよりいっそう余裕に見せるため、お弁当のウインナーを口に運ぶ。 「お前、黒田が好きだろ」 「ぶっ!!」 あたしは、立った今口に入れたばかりのウインナーを吐き出してしまった。 「っぎゃああー!何してんの!汚い!」 「由衣ってばきったない~」 美夏たちはからかってきて、秋吉も笑ってる。 恥ずかしい…。 あたしは今日、何回恥ずかしい思いをすればいいのだろう。 「っははは!」 「笑うな!…っていうか何で…知って……!」 吐きだしたウインナーを拾いながら、あたしは動揺丸出しで尋ねた。 「そりゃあ、見てりゃ分かるだろ。なぁ?」 「「うん」」 美夏たちも頷いた。 「何で!?」 「顔にかいてんだよ。好きですって」 「な!?そんなはずない!」 「…いや、由衣かなり分かりやすいよ」 「…そんな…」 あたしはもう、笑うしかない状態。 がっくりと肩を落とす。 「つーか、確認だったのにな」 「へ?」 ぴくり、とあたしの耳が反応した。 …と、いうことは……? 「知らなかった…の?」 「もちろん。まぁばればれだけど」 「……いやぁぁぁーーーー!」 バカバカ。あたしのバカッ!
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