出会い

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「さぁね…。面白かったから」 「何それ?」 「変なの~」 「それより席戻ろ」 納得のいっていない様子の二人を席に座るよう促し、あたしも自分の席を確認する。…と、 「……あ」 あたしの隣に座っていたのは、さっきの男だった。 ぶつかった男…。 「あ、さっきのヤツ!」 「ヤツって…。あたしは由衣です。香川由衣…」 「そう。香川か」 失礼な男…。だけど人と話すのが苦手なあたしは怒れない。 さっきは何か自然に睨んじゃったから…、今度はそうはいかない。 「俺は黒田康。さっきはよくも睨んでくれたなぁ?」 男…黒田は目を大きく見開いて、こちらを見下ろすように引きつった笑いを浮かべた。 多分、わざとだろう…。 っていうか何こいつ。全然怖くない。 むしろ…、 「あはははっ!何その顔!面白い!怖くないしー!」 「はぁ~?怖いだろ!これは!」 「全然怖くない」 「何!?まじかよ…」 こんなに怖くない男子いるのか、ってくらい怖くない。見開かれた目が、面白すぎて。 初対面でこんなに笑ったの…はじめてだった。
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