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「じゃあ…これでどうだっ！」
そう言って黒田は、さっきとは逆に睨むようにこちらを見上げた。
怖がらせようとしてるんだと思うけど……その姿がまた面白くて仕方無かった。
「…っははは！」
「…お願いです、怖いと言ってください…」
声を上げて笑ったあたしに頭を下げる黒田。
あんたはそれでも男ですか！
っと…突っ込みたい。
「やだ」
「いやいや、怖がれよぉ！」
あたしはにやっと笑って前を向いた。
右横の黒田が何やら叫んでるけど気にしない。
何でだろう…。
それはきっと。
あたし男子と話したことないから素っ気ない態度とっちゃうんだ…。
「…くそー…。香川由衣…。お前覚えとけよ…」
嫌われた…、と思ったけど。黒田の顔はこちらを向いて笑ったままだった。
「は？」
あぁ！あたしの馬鹿っ！ここは“何？”でしょ！
怖く言ってどうすんの…！
「いつか絶対俺を怖いと思う日が来る！」
「…ないね」
フイッともう一度顔を逸らす。
だけど素っ気ない態度とは反対にあたしの心は嬉しくて…。
心が躍る…っていうのは、このことなのかなぁ？
あたしのこと、怖くないのかなぁって…。絡みにくい奴だって思わなかったのかな…。
って思ったけど、黒田はそんな人じゃなかった。
意地悪に見えて凄く心が広いんだ…。
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