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( <●><●>)「幽霊を見に行きませんか?」
蝉のコーラス隊を邪魔する形で、彼は厳格な声を出した。とても良い顔で。
彼の背後で申し訳なく立っているホワイトボードには、心霊スポット迄の道筋と休憩場所。そしてご丁寧にも、お土産の情報迄、事細かに書かれている。
――ようだが、黒一色であり、且つ同じ大きさである為、分かりにくい事この上ない。
ミセ*゚ー゚)リ(ダメだなぁ)
この男は頭脳明晰の癖に変な所で不器用なのだ。器用貧乏とは良く言った物である。
【+ 】ゞ゚)「専門外なので僕はパスです」
黒いマントを羽織った男が、言って握ったトマトジュースを口の中へ流し込む。
彼は〝棺桶死 オサム〟
同じサークルのメンバー。黒いマントと、顔の右半分を隠している白い仮面がトレードマーク。まるで吸血鬼、もしくはオペラ座の怪人のような風貌である。
端から見れば怪しさ満点ではあるが、大学の人間は、この奇々怪々な格好に慣れた。いや慣れてしまった。
大学内で棺桶死を見て驚く輩は、潜りだと認識される位に彼は有名である。
勿論奇人変人的、意味合いで。
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