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目の前には怒涛の咆哮を挙げる
三頭狼ケルベロス。
その堅固な爪は鉄をも斬り裂き
その鋭利な牙は鋼をも噛み砕く。
「何がEランクの任務よ!
話が違うじゃ無い!もうっ。
あのインテリ詐欺野郎
後で絶対殴るからねっ!」
両手に拳銃。
ヒラヒラのゴシックドレス。
双方に結ばれた黒い髪。
壮絶な場面には余りに不釣合い。
【混合種:人×ヴァンパイア
狂里羅璃愛(クルリラリア)】
「羅璃愛…またそんな格好で…
来るから…いけない…。
それに…社長殴ると…きっと…
クビ…だよ…。」
身丈以上の長刀を片手に
黒フードから除く青い髪と瞳。
【混合種:人×悪魔
鬼神來辣(オニガミライラ)】
現在お仕事中。
「ングゴオオオォォォ!」
ケルベロスが怒りに満ちた雄叫びをあげた。
「来る…。」
前脚を振り上げ猛攻態勢で突進を開始。
來辣はケルベロスに向かい長刀を構える。
「大体社長はいっつもそうなのよね!
高ランクの任務を低ランクで
手配して給料詐欺るんだもん!
ケルベロスの成体なんて
Cランクじゃないっ。」
羅璃愛はそれに目もくれず社長の愚痴を吐きだしていた。
「羅璃愛…来てるから…?
あの…ケルベロス…
来てるから…こっちに…」
「だいたい社長はね全然ダメ
髪型ダサいし何か
カタッ苦しいしっ。
それからー」
「もう…いいよ…。
僕…一人で…。はあ…。」
静かに肩を落とし溜息を吐く。
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