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今でも胸に焼き付いて…
その時のことを鮮明に思い出せる…
まだ社会人になって、ままならない頃…
仕事が嫌で嫌でしかたなかった自分。
お父さんに愚痴ばっかり溢してた。
『ほら、見てごらん。』
お父さんが、自分の両手を広げて言った
『この手を見てごらん。
ゴツゴツして、爪は磨り減って、元の長さより短くなってる。
だけどな、お父さんは、この手が、このよ〓く働くこの手が好きだよ。』
と言ってきた…
お父さんの手は、真っ赤で、分厚くて、とても綺麗な手とは言えないけれど、それは、それは立派な手だった…。
お父さんの手は…
みんなを守る為の手なんだ…
この頃付き合ってた彼氏に、
この話をしたら、
『おまえの父ちゃんかっこよすぎるだろ!!』
って言われて、鼻高々だった。
うちのお父さんは、本当にかっこよすぎるよ。
自分の愚かさを知った日でもあった…。
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