セカンド・リコン

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「おい、大丈夫か? しっかりしろって。」 もう1人先輩が歩み寄って俺を担ぎ上げる。 「すみません、心配かけて。」 「いいって事よ。 仲間を心配するのが仲間の仕事さ。」 天瀬さんも立ち上がって俺の顔の傷を見て触れてきた。 「イッ!」 「痛むの? やっぱり平気じゃ無さそうだけど…… とりあえず、ここからは私たちだけで大丈夫だから高橋君、任せて良いかな?」 「こいつ体はってが道作ったんだ。 だから失敗すんなよ、リーダー。」 「うん! 鳴神君、ありがとうね! 頑張ってくるから!!」 そう言って天瀬さんはみんなを引き連れて前に前進していく。 ああ、情けねーよ。 情けな過ぎだ、俺…… こんな事で気を使わせたのもそーだけど、あそこに混じって一緒に行けないなんて不甲斐ないな。 貧弱すぎた………カッコワリィ。 愕然と俯きながら先輩に運ばれる。 すると、それに気づいていたのか先輩が話し出す。 「そう落ち込むな、1年坊。 逃げずに考えて突っ走ったお前は格好良かったさ。 何よりお前はみんなの前で貢献して見せた。 ちょいっと地味だが陰役者のヒーローなんだぜ?」 ヒーロー? 俺がか? 「実は言うとな。 あのトラップ……俺らの先輩ら、つまり卒業生が作った撃退用のトラップなんだ。 前に、あれを解除しようとした時はみんなコテンパンにされた事があってな、そん時の方がすんげぇ格好悪かったんだよ。」
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