18人が本棚に入れています
本棚に追加
/84ページ
気づけばその先輩は1人語っているだけで俺はただ聞いているだけだった。
「あん時はすげー隊長に怒られてたり呆れられたり……あ、隊長は分かってかも知れないが真幸だ。
お前が初めて部室に来たとき一緒に出撃した奴。」
あの人が真幸……
俺の、みんなの隊長……
「あいつはすごい、そうとしか言えない奴だ。
おっと、話が脱線しちまったな。 戻すとするか。
あんまりのザマに隊長も頭を抱えてたけど、『しかし、初めてにしては得られた物は大きいな。 良くやってくれた。』って言ったんだ。
意味は分かんねーけど、得られた物があるだけで大した事だ。 例え小さくとも。」
先輩は曲がり角を曲がり、屋上へ続く階段を上る。
「ま、結果はどうあれお前は良くやった。 正直あん時の俺らより格好良かったぜ。
俺らに出来なかった事を成し遂げたんだからな!」
格好良かった、か……
自分の中じゃ納得行かないけど言われると少し照れ臭いな。
けどーーーーーーーーーー
「……けど、俺は貧弱で最終的には………」
「貧弱は嫌か?」
すぐに反応して言い返してくる。
すこし言葉に詰まったが「嫌です。」と言った。
先輩は階段を上りきって屋上のドアを開けた。
最初のコメントを投稿しよう!