3rd † warmth―温もり―

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「ありがとうございます」 すごく、嬉しかった。 「もーう、本当サンちゃんっていい子!」 柴田さんはぎゅっと、わたしを抱きしめる。 わたしはいきなりの行動に、戸惑いを覚える。 「わたしね、新しく働く子みーんなに、『わたしのこと、お母さんと思って』っていい続けてきたの。 エミちゃんにもだし、もちろん蓮くんにも! そしたら、蓮くんってすごいのよ。その次の日、いきなりタメ語使ってきて。さすがのわたしも怒ったわ。そしたら 『え? お母さん相手に敬語使う人いる?』 って! 確かに、そう言われればそうだけど、でもだからって年上の人にそう言われたくらいで、タメ語になる?」 「いえ、なんないです」 「でーしょー? 何ていうか変わった子よねぇ」 だから、柴田さんにタメ語なんだ。 ……てゆか柴田さんのことおばさんって言ってるし、エミさんにもタメ語だし、柴田さんが何か言わなくても、そのうちタメ語になったのではなかろうか…… うん、ある意味、蓮ってすごいかも。 地上のことをよく知らないわたしでも、マネしちゃいけないことくらいはわかる。
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