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「ありがとうございます」
すごく、嬉しかった。
「もーう、本当サンちゃんっていい子!」
柴田さんはぎゅっと、わたしを抱きしめる。
わたしはいきなりの行動に、戸惑いを覚える。
「わたしね、新しく働く子みーんなに、『わたしのこと、お母さんと思って』っていい続けてきたの。
エミちゃんにもだし、もちろん蓮くんにも!
そしたら、蓮くんってすごいのよ。その次の日、いきなりタメ語使ってきて。さすがのわたしも怒ったわ。そしたら
『え? お母さん相手に敬語使う人いる?』
って! 確かに、そう言われればそうだけど、でもだからって年上の人にそう言われたくらいで、タメ語になる?」
「いえ、なんないです」
「でーしょー? 何ていうか変わった子よねぇ」
だから、柴田さんにタメ語なんだ。
……てゆか柴田さんのことおばさんって言ってるし、エミさんにもタメ語だし、柴田さんが何か言わなくても、そのうちタメ語になったのではなかろうか……
うん、ある意味、蓮ってすごいかも。
地上のことをよく知らないわたしでも、マネしちゃいけないことくらいはわかる。
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